2003/9/1
 気がつけば半年以上も更新がなかったおかげですっかり世間に忘れ去られた感のある当サイトですが、まだ終わったわけではありません。というわけで4周年を迎えた今日、かまくらはここに復活を宣言いたします。ご心配をおかけしてどうもすみませんでした。
 もちろん復活といっても仕事は相変わらず忙しいし、去年までの更新頻度や質を保つのははっきり言って不可能なわけですが。それでも僕にまだやりたいことがあって、それを楽しみにしてくれる人が一人でもいる以上はどんな見苦しい姿になってでも続けていこうというのが開設当時から変わらない僕のこのサイトに対する基本姿勢です。これからは自分のペースでやりたいようにやっていこうと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。今日のところは挨拶までで。

2003/9/3
 あらためて今まで何をしていたのかを報告しますと、ひたすら新しい仕事に追われてました。何の仕事かは職場バレが怖いので曖昧にぼかしますが、まあ外回りの営業関係です。わかる人にはわかると思いますが営業は始めてから慣れるまで毎日が地獄という仕事でして。これに精神的にも肉体的にもやられてました。今はなんとか元気でやってます、本当心配かけてすいませんでした。
 まあ日記以外(midiとか漫画塾とかゲームレビューとか)については実は8月に入ってこっそりリハビリがてら更新始めてたんで(当然のごとく誰も気がつきませんでしたが)、僕としてはそれほど心機一転という感じはしてないんですけど。とりあえず4周年というイベントにかこつけてでも公に復帰を宣言しないといつまでもダラダラしてしまいそうだったんで。今後もしばらくの間は日記以外を中心に手を入れていこうかなーとぼんやり考えています。今の生活はほんと会社と家の往復、終了って感じだし、そんな状態じゃ身の回りから面白い事なんてなかなか見つかんないですしね。 まあもう少しゆとりを持てるようになったら日記のことも真剣に考えます。そうそう、「美少女わんさか☆日記 今夜もブリザード」に変わる新しいコンテンツ名も考えておかないとですね。そういえば4年間誰にも聞かれなかったですが今明かすと「今夜もブリザード」という名前は10年くらい前にニッポン放送でやっていたラジオ番組「伊集院光のOh! デカナイト」内の一コーナー「今夜もブレイク」をパロったものだったのです…などと本当に何の役にも立たない上に同世代にしかわからないトリビア知識を与えつつ今回はこの辺で(あの頃から犬山犬子はニャース声だったっけなあ…)

2003/9/4
 今の営業担当地域には安い飲食チェーン店がないので、仕方ないので昼はスーパーでパンや総菜類を買って駅前広場のベンチで一人もそもそ食べています。マジこの淋しさばっかりは同業者じゃないとわかってもらえないんじゃないかと思います。食べ終わってふと頭を上げると下校中の女子高生の一団がはしゃぎあいながらホームに消えていくのが見えたりして。 ああ、そういえば俺にもあんな風に友達とふざけあって毎日を過ごしてた時期があったんだよな…と遠い目で彼女たちを見ていると突然、背中につんつんと指で叩かれるような感触が。も、もしかして女子高生が僕のこんな淋しげな姿に見かねて声を!? そんな漫画みたいな展開が!? と意気込んで振り返ると僕の昼飯の食べかすを啄みに来た鳩の大群がいつの間にかベンチの背もたれにズラリ、みたいな。 そしてそんな一部始終をつっこんでくれる人誰一人いない、みたいな。書いていて鬱になってきたので昼飯の話はこの辺にしておきますが。
 ただ僕は気の合わない同僚との共同作業や義務的なおしゃべりみたいなのが大の苦手なので、そういうのがあまり必要ないというところだけはこの仕事気に入ってます。なんだかんだ言っても僕は本質的には孤独が好きなんですよね。同僚は皆良い人ばかりですしそれなりには仲良くやってますけど、でも毎日8時間机並べて一緒に仕事したいとはとても思えない。それくらいだったら一人で外を回って休憩時間には一人で本を読んでいるほうがずっといいです。引きこもりの毎日からいきなり営業、ビジネスの最前線での毎日へということで最初はどうなることかと焦りましたが最近では意外に僕に向いているのかもしれないと思えるようになってきました。良い兆候です。願わくば次の営業担当地域はもう少し制服の可愛い女子校がある所にして欲しいなーなんて(何をしに行ってるんだ)

2003/9/8
 さて近況を語るとどうしても仕事の話にしかならないのですが仕方なく続けると、僕は26歳というオッサンに片足突っ込んだ年で途中入社したため周りの同僚が皆若々しいのです。僕のいる部署の平均年齢は23,4といったところですかね? 連中のほうが早期入社だし僕なんかよりよっぽど仕事できるんですけど、 上司的には何を血迷っているのかどうも僕に若いやんちゃ連中の取り仕切り役を期待してるらしくて(それっぽいことを言われた)。冗談きついです。僕の人望の無さといったらそれこそ最強伝説黒沢並みなんですけども。なんかマジでこないだも僕が一人ベンチでパン囓ってる時に若い連中は僕以外全員待ち合わせてファミレスでランチしてたらしいし! なにが「雪男さん前一度ファミレス嫌いって言ってたじゃないですかぁ〜」だ!! 大人には時として「ああファミレス? あまり好きじゃないね」って気取ってみたくなる時くらいあるだろ!! それくらい察してくれよ!! あ゛ーマジでマジで、人望が欲しいっ…!! せめてランチに誘ってもらえるくらいのっ…!!(←こないだやっと誘ってもらって大喜びでついていきました)

2003/9/23
 引きこもりやってた頃は街にクソガキが跋扈する祝祭日がウザくてウザくて、いっそこの世から全部無くなったらスッキリするんだろうなあとか思っていましたがいざ自分が働きだしたらほんと、こんなにありがたい存在だったのかと初めて気がつきましたよ。 ほんとマジもう肉体的にも精神的にも限界。休みちょう嬉しい。この頃外回りしてると時々意識が飛んで、気がつくと小学校横の公園ベンチに座って金網越しに校庭を走り回るスパッツ姿の女子小学生群をぼんやり眺めている自分に気がついたりするんです。 本当は金網なんて乗り越えて彼女らと一緒に歌ったり踊ったりしたいのはやまやまなのですが、それをやると会社クビどころかタイーホ→万景峰号貨物室送りなので(脱北者!?)、今のところはおとなしく見ているだけにしてます。それにしても疲れて歩いた後にはキンキンに冷えたアミノサプリのなんと美味いことでしょうか。サプリしすぎて余ったエナジーのやり場に困っちゃいますよね(金網を登り始めながら)

2003/9/26
 そういえば去年の十月末にちょびっツが終わって以来、もうかれこれ一年近く二次元キャラに萌えていません。 それなりに心動かされた萌えキャラならそりゃもちろんいっぱいいましたが、でもちぃたんくらい継続的に愛を維持できるキャラは結局一人も現れなかったんですよ。 なんでしょうね、最近の漫画業界も萌えのデフレ傾向にあるんですかね。数で攻める作品ばかりで一人のヒロインをじっくりと丁寧に掘り下げる作品が減っている気がします(ちょびっツが丁寧だったというつもりは毛頭ありませんが)。 僕はやはり「魔法先生ネギま!」みたいなとにかく一コマで全キャラまとめて脱がすような安易なやりかたは好きじゃないです、というか垢松先生ほど「安易」という単語の似合う漫画家もあまりいないなと今ちょっと思いました。あと後生ですから誰か僕の代わりにマガジンの糞同人漫画「ツバサ」に引導を渡してやってください。 アレを毎週読むたび本当にどうしようもない哀しみに襲われます、なにが哀しいってわかりたくもないのにいちいち元ネタが頭の中で駆け巡ってしまう自分のCLAMPオタっぷりが。

2003/10/3
 営業という仕事は話術スキルが全てだと始める前は思っていた(そしてそれについては密かに自信があった)のですが、 実際やってみるとそういうもんでもなかったんですね。話術なんてのは結局は効率を上げるツールの一つに過ぎない。 要はヤクザみたいなオッサン相手にも笑顔で要求を突きつけられる「あつかましさ」があるかないか、ってことだったわけです。 奥ゆかしさでこの界隈でも有名な僕にはまだまだその「あつかましさ」が足りないようでして。 これではいけない、ということでもっとあつかましさを身につけるための修行として女の子のサイト掲示板に「もっと下ネタを書け」「お前の初体験談を載せろ」とダメ出しして回ろうかとも思ったのですがよく考えたらそれは昔実際にやったことがありました。もうネットでの修行は必要ないようです。

2003/10/7
 僕はやたらテレビの話ばかりする奴が好きではないのだが、職場に一人この手のタイプがいて参っている。 あんまりうるさいから正直に、僕の部屋はアンテナ繋いでないからテレビが映らないと言ったら何かの冗談だと受け取られたようだ。 自分の見ている番組は国民みんなが見ていると信じて疑っていないらしい。 まあ適当に相槌を打ってりゃそのうち話も終わるので、ウザいけどとりあえず今のところは放置という感じで。
 僕がこの男には何があっても心を許すまいと思った決定的な瞬間が「俺ってなにげにミニモニ好きなんですよ〜ロリコンですよね」の一言を聞いた時だ。いやちょっと待てと。ミニモニ好き程度でロリコン自称されたら性対象年齢がすでに2ケタ割れで日本経済並みに冷えこんでいる(心が)わしら本物はどないすりゃええねんと。いやそりゃまあ辻加護でヌイたことがあるとか男らしく報告してくれたならその心意気を買って朋友と認めてやってもいいけども。それもなしじゃねえ。まずは「はじめてのおるすばん」でもやりこんでとことんまで己と向かい合えと。そこから彼が新しい自分自身を見つけられたなら、そのときは僕も笑顔で語り合うことができるようになるのだと思う。とりあえずまず君は「雪男さんテレビ映らないんだったら夜一人で何してるんですか?」とか無邪気に聞かない優しさを身につけろ。んなもん決まってるだろインターネットだよ!
 ワールド・ワイド・ウェッブだよ(←最近こう言うと恥ずかしさが少し紛れることに気がついた)

2003/10/9
 ペニスの王子様だの黒猫だのといったジャンプ作品叩きはけっこうネットで多く見かける気がするんだけど、「ツバサ」を叩いてるサイトは一度も見かけたことがない。 あの2ちゃんねるでさえ「今回の話に出てきたキャラは○○の脇役だった△△だ」とかファンが雑談している有り様。 なぜだ!? なぜ誰も叩かないんだ!? みんなさくらたんが「はにゃ〜ん」と言わないことについて何の不満もないとでも言うのか!?
 というより今やテキストサイト界で「ツバサ」を読み飛ばさずちゃんと毎回チェックしてるのは僕一人なのか!?(たぶんそれが正解ぽ)

2003/10/14
 昨日リンガーハットでちゃんぽん喰って思い出した話。
 五年前に友達と博多に行ったとき、玄界灘のどっか小さな漁港(名前失念)に迷い込んだついでに海鮮ちゃんぽんを食べたのだがこれが死ぬほど美味かった。捕れたばかりの新鮮な烏賊を噛みちぎると「プリッ」と音がしてそこからエキスが滴り落ちて、それがスープの味をさらに複雑に濃厚にしていくのだ。無造作に剥かれたまま放り込まれた大粒の海老は頭のほうにまだ脳味噌が残っていて、しっぽをつまみながら身ごと一気に囓り取ると旨さで背筋がぞくぞくと震えた。気がつけばそこにいた全員言葉一つ発さず、スープの一滴すら残さず完食していた。博多で他に食べたサザエの壺焼きもモツ鍋も一蘭のラーメンも全部美味かったけれど、それでもあの時あの場所で食べたあの海鮮ちゃんぽんを前にするとそれらの記憶は色褪せてしまう。 今までに食べたものの中で一番美味かったものは何かと聞かれれば、僕はたぶんこのときの海鮮ちゃんぽんのことを話すだろう。
 本物の感動、身震いするほどの感動というのはいつだってある日突然、思いがけない場所で思いがけない瞬間にやってくる。 だから僕らは一つでも多くそれらを捕まえようと日々アンテナを張り巡らせ、まだ知らない場所に旅をし、まだ知らない飯屋の暖簾をくぐり、まだ知らない映画の観覧席に腰を下ろし、まだ知らない人間と恋に落ちる。ネットの電脳世界の中にさえまだ出会っていない素敵なサイトがたくさんたくさんあることを考えると本当に、人生には退屈している暇なんて一秒たりともないのだと痛感させられる。だからまあ寝る間も惜しんでネットするくらい何の問題もないはず。たぶん。

2003/10/15
 厨房時代にAV男優がイく寸前にコンドームを素早くぴっと外して女優さんの顔面に降りかけるあの手際の良さに憧れて密かに練習したことがあったのだけど、僕はどうもチンコの形がいびつらしく外すとき毎回輪が引っかかるのだ。急いでも5秒くらいかかってしまう。これでは顔射する前に外しかけのゴムの中にあえなく出してしまうという一番格好悪い展開になってしまう、と危機感を抱いた当時の僕は練習に練習を重ねどんどんタイムを縮めていった。それこそホンダのF1に賭けた男たちのごとくプロジェクトXに出しても恥ずかしくないほどの特訓の結果、ついにコンスタントに1秒台を叩き出せるようになる。 これならなんとか闘える、と一人ガッツポーズを決めた中三の冬。15の夜。
 ところが高校に入って状況は一変する。鬼畜系の過激エロ本にハマり読み込んでいくうちにだんだんと性の嗜好が変化し中出し大好きっ子になり、顔射に対する興味や情熱がすっかりなくなってしまったのだ。ていうかそもそもゴムなんていらないじゃん、という結論に達するのにそう時間はかからなかった。 こうしてあれほど練習して会得した僕の「ゴム早取り顔射術」は禁呪として闇に葬られた。10年を経た今となってはもうできるかどうかすらわからない。というか中学といい高校といい今といいやらせてくれる相手の存在をことごとく無視しているところに自身の成長してなさがよく表れていてショボーン。 えっ、チンコのほうも成長してないって? じゃあまだ素早くゴム外せるかもね(ガス管のゴムホースが)

2003/10/19
 今まで店の一番奥で申し訳なさそうに棚二列程度だけやおい系耽美小説・漫画を扱っていた近所の行きつけの本屋、今日久しぶりに行ってみたら昔「趣味の編み物」とか「10分でできる簡単レシピ」とか主婦向け実用書が並んでいた棚が全部やおい棚になってて驚愕しました。 これはなんですか、今日日の主婦の方々は編み物よりも料理よりもやおいが優先ということなのですか? 人類の終末を暗示してますか? MMRですか? もうほんと今からでも決して遅くはないのでなんとか元に戻してください>本屋

2003/10/21
 趣味の本コーナーの話で思い出しましたけど女の子の間でビーズで作る小物作り、流行ってるじゃないですか。 あれ実はちょっとやってみたいんですよね。僕ああいうちまちました工作大好きなんですよ。 決してビーズをネタにして婦女子と仲良くなりたいとかいう下心があるわけではなくもなくて大ありなんですけど、いやマジで小物作りが得意な男の子ってモテそうな気がしませんか?  「くまのキーホルダー作ってみたんだけど、僕が持っててもしょうがないし(←ここがポイント)○○ちゃんにあげるよ」って感じに言えば全然不自然じゃないしかなりの確率で喜ばれるじゃないですか。 うまくいけばその夜にでもビーズ入れたてのカラフルイボチンポでヒーヒー言わせることも不可能ではないわけですよ。いやビーズは痛そうなので入れませんけども。 とにかく世の非モテどもはモテないモテないと嘆く暇があったらビーズの教本でも買ってきて少しでもモテネタを仕込んで悪あがきすべき、と言いたいわけですよ。2chのオモシロスレッドをいくら知っていても女は落ちません、というかそんな話題で落ちる女は女で非常に僕好みなのでまあそれでもいいかと思った。これからも2chで行こうと思った。

2003/10/24
 ちょっと前から藤沢の駅前でフィリピン人ぽいお姉さん数人が道端で「オニサンマサージドデスカ」とやり始めるようになったのだが、これがウザくて仕方ない。仕事帰りにスーツ姿で通りかかると100%の確率で声をかけられる。もはや日課に近い。
 しかし毎日毎日その通りを歩くうちに、彼女らの営業には奇妙な法則があるらしいことがわかってきた。明らかに僕よりオッサンと思われる男に声をかけないことがあると思えば、制服を着た高校生にまで声をかけていることがある。これはどういうことなんだろう、と気になってさらにつぶさに観察を続けてみたらようやく謎が解けた。彼女らは「ネクタイをしているか否か」で人を判断しているのだ。おそらくマネージャーか誰かに「ネクタイをしているのが見込み客だから声をかけなさい」と教えられたのだろう。 だからネクタイをしていなければオッサンでも声をかけないし、逆にネクタイさえしていれば私立の学生にまで知らずに声をかけてしまうのだ。タネが割れてしまえば簡単なことだった。
 それで今日の僕は私服だったので、声をかけられることもないだろうと堂々とその通りを歩いて帰ったのだが…お姉さん僕をまじまじと眺め回した後で一言、「オニサンマサージドデスカ」。

 俺はそんなにマッサージ好きそうな顔か!?

2003/10/27
 うかつにも今週の「ツバサ」のロリ春香たんに萌えてしまうという取り返しのつかない失態を演じてしまったばかりのATS(アンチツバササイト)連盟会長であるところの僕なのですが、土曜に「王様のブランチ」映画特集におけるランキング一位映画「黄金の法」に対する見事なコメントスルーを見ているうちにとある重大なことに気がついてしまいました。 「ランキング一位なのに誰一人言及しない」、
 このスルーっぷりはテキストサイト界における「ツバサ」の扱いと奇妙に一致する…(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
 そもそも、CLAMPなどというブサイク中年女集団は初めから実在しなかった、としたらどうだ…?
 つまり「黄金の法」の大川●法とCLAMPリーダーを名乗る謎の女・大川七瀬は









 単純なアナグラムだよ。いいか、大●隆法の「隆」は「龍」と変換し、「法」は「ほう」ではなく「ぼう」と読む。「龍」の「ボー」とくれば略された元の言葉はひとつ…そう、ドラゴンボールだ。知っての通り、ドラゴンボールは七つ集めるとあらゆる願いが叶う。さて、そこでだ…もう一度思い出してみてくれ、CLAMPのリーダーの名前は何だったか?



 ※この後「プロパガンダと真の野望が云々」とオチが続くはずだったのですがあまりにもネタが危ないので割愛させていただきます。







2003/10/28
ダメだっ… オレはダメなんだ…
わかったんだよ…
オレには もう わかった…

人間には二種類いる…と

「ツバサ」を毎週豪快に読み飛ばせる者と
萌え目当てについ読んでしまう者…

オレは…そのダメなほう…
ダメなんだ…

どうしてもマイナスのイメージが拭えない…
読み飛ばそうとしても…
さくらたんの愛くるしい姿がちらついて…
震えが止まらない…
本当に…
もう こうして更新しているだけでギリギリ…
精一杯なんだ…

フフ… へただな雪男くん へたっぴさ…!
欲望の解放のさせ方がへた…
雪男くんが本当に欲しいのは… こっち…!

特製ポストカードに萌えてさ…
豪華版コミックスを一生保存したい…!
だろ…?
だけどそれじゃあまりにオタ臭いから… こっちの…

通常版でごまかそうって言うんだ…
雪男くん ダメなんだよ…! そういうのが実にダメ…!


ふざけるなっ…!
ふざけるなふざけるなっ…!!

CLAMPっ…!

まだ毟ろうってのか…!
オレたちみたいなCCさくら厨を相手に
0 まだ毟ろうってのかよっ…!
いい加減にしろよ いい加減にその…
同時二冊発売って考え捨てろよ…!

やめるぞっ…!
あんまり豪華版限定版を出すと
オレたちは皆 CLAMPオタをやめるっ…!!


今回オレが新連載「ツバサ」を始めた時…
あいつら 多分この漫画のこと
「面白そう」と思ったと思うんだよ

ククク…
ああいうオタがいるから
オレたちCLAMPは食いっぱぐれねえんだ

オレの漫画が「面白い」わけねえじゃねえか…!

…ククク… 話にならない甘ったれ…
テキストサイト界ではそういうウスノロは
いのいちに餌食…
…喰い物…

2003/10/29







↓購入・帰宅後









2003/10/30



↓購入・帰宅後






2003/10/31
あれあれ??
どうしてこんなにたくさんAAが??

誰だ? 誰なんだ…?
くだらないAAネタを5日も引っ張ってる奴は…?
誰だ…? 誰だ…? 誰…?

あ…

オレだった…!




2003/11/3
 ご存知の通り僕はダーリンしゅきしゅきー☆なノリのラブラブ少女漫画が大好きなわけだが、誤解されぬよう言っておくと別に僕は女の子がイケメンの男といちゃいちゃしているシーンが好きなわけではない。 それはむしろムカつく。僕が見たいのはあくまでも「好きな男を想う乙女心」という精神的なものであり、その対象に自分を投影して萌えるのが好きなのだ。 だから男が非の打ち所ないイケメンという漫画はどうも苦手だ。 まあ漫画なんてしょせんファンタジーだし、青年誌漫画のほうがよほど非の打ち所のない女の子(無垢でロリ顔巨乳)ばかり出てくるという負い目もあるのであまりうるさいことを言うつもりはないが、それでもやはり少女漫画のヒーロー役は「今はあまり格好良くないけど、でも成長しようとしている男の子」であって欲しい。 そういう男の子を好きになれる見る目のある女の子が漫画でも現実でも僕は大好きだ。
 ちなみに自分を投影するのが好き、という話をさらにエロ漫画やAVにまで広げると僕は「男の顔が映らない作品」のほうがどちらかというと好きかもしれない。男なんて適当に下半身だけ映っていれば充分である。チンポもあまりリアルに筋とかアップにされると萎える。かといってたまにチンポがただの黒いチクワみたいに適当に描かれているエロ漫画があるがそれはそれでダメだ。そこそこに存在感がありそれでいてリアルではない、そんなカレーにおける福神漬け的なチンポを僕はエロ漫画に期待する。いや別にチンポが見たくてエロ漫画を買うわけではないが。

2003/11/5
 気がつけば冬に履くズボン(←この呼び方がすでに非モテ)がなかったので、5年連続ケミカルジーニスト賞受賞中の僕としてはよりケミカリーにウォッシュドされた最先端ズボンを求めるべく帰りにジーンズメイトに寄ったのです(夜ここしか開いてないんだもん)。 ちょっとタイトでピーキーなシルエットがなかなかゴキゲンなC.W.(※Chemical Wash)がいくつかあるにはあったんですが手持ちがあんまりなかったので結局1980円のなんかテロテロのもも引きみたいなの買って帰りました。この冬のオフはこれでキメるゼ!みんな4649!!

2003/11/7
 婦女子のサイトを巡回しているとごくたまに「今日から生理で体調が悪くて…」というような記述に遭遇することがありますけど、その日付をちゃんと記憶していて三週間後くらいに「ククク…この娘…そろそろ安全日だな」と一人ニヤニヤ日記を眺めてしまうのは僕だけですか? はい僕だけですね(終了ー)

 (再開)いやマジで、技術的には全然可能というか簡単なんですよ。はてなアンテナをちょちょいっと改造してですね、婦女子に生理の来た日付さえカタカタッと打ち込んでもらえればあら便利、以後は自動で危険日だとリンク色が赤に安全日だと青になるという仕組み。青色だったら文中リンクリンク!!タイミング良くオフ会で会ったら期待しちゃってもいいかな…?(無駄です)

2003/11/13
 おかんがローリエ(月桂樹)を買ってきたのでさっそくコップに水を入れて水見式をやってみたところ、水の味が変わったので僕は変化系能力者のようでした。 ていうか念を込めなくてもすでに水の味が変なので僕じゃなくてたぶんうちの水道管が変化系です。 微妙に不純物も出現してるので具現化系寄りなのかもしれません。
 ちなみに僕の能力「自由自在の指」(ゴールドフィンガー)は超高速の愛撫でナオンを昇天させるという能力なのですがこれはマジの話、冗談抜きに僕は指の動きだけは早いです。鍵盤習った経験のある人にならトリル(隣同士の鍵盤を高速で弾く)の練習がめんどいのはわかってもらえると思いますが、僕はいつか来るだろうナオンとの前戯に備えてこれだけをひたすら真面目に練習してきたのです。黙っていても指が震えるようになった頃にはファミコンの連射ゲームで負けることはまずなくなりました。このまま高橋名人に挑戦してやるか…と思った頃にはいつの間にか連射ゲームのブームは終わってしまい。そのまま僕はナオンを昇天させるどころかナオンと口を聞く機会すらない長い暗黒時代に突入し、結局せっかく覚えた能力「自由自在の指」(ゴールドフィンガー)オナニーするとき便利というだけの駄能力になってしまいました。まあ多少衰えたとはいえ今でも加藤鷹並みに指は動くので日頃ここを愛読している女子中高生諸姉の中に「ぜひ試してみたい」という人がもしいましたらすぐにメール出すように。

2003/11/17
 オギノ式について検索してたら(するなよ)、すごいものを見つけました。オギノ式簡易計算機です。前回の生理日と生理の長さを入力するだけでたちどころに排卵推定日と妊娠可能期間を算出し、今日の妊娠の可能性が「高い」か「低い」かを判定してくれる優れモノ。 せっかくの安全日にどうしても中出ししたい時! すかさず手元の携帯でこのサイトを呼び出し「妊娠の可能性は低い」という表示を見せてあげればナオンの「もう、しょうがないわねぇ…」という夢の言葉を引き出す切り札になりえるかもしれないのです!! 素晴らしい!!
 僕も自分専用のダミー携帯サイト作ろうかな。生理日をいつと入力しても必ずCGIが予定通りのエラーを起こして「今日は超安全」と表示されてしまうサイト。

2003/11/20
 この4年間にけっこうな数のやおい好きの女の子、いわゆる腐女子の方々とお話させていただく機会がありまして、そのせいなのかどうなのか知りませんが明らかに男同士のまぐわい関係に対する抵抗感が昔より減ってます。 よくある「顔はどこから見ても美少女だけど、本当は男」という設定の漫画でもチンコが立っていたことに自分でもびっくり。インターネットという現代のマトリックスで覚醒した僕はついにイマジネーションが物理法則を越え始めたようです。そのうち銃弾も止めます。やばい、これはやばいです。
 こんな僕は当然のように今週のハンターハンターのビスケたん(実年齢57歳・真の姿はムキムキマッチョ)に萌えてしまっているのですがまあビスケたんは57歳でも女だからいいです、一応。男でなければもうこの際何でもいいです。誰かこんな僕を正常な世界に連れ戻してくれる女の子募集(腐女子はもっとまずい世界に連れて行かれそうなので今回は禁止)

2003/12/01
 夜中に腹が減るようになって困っている。寝る直前に喰うと脂肪堆積率二倍のアビリティが発動することはわかっているので晩飯の量を増やしたりと工夫は一応しているのだが、それでも耐え難いほど腹が減る。 もっとォ、もっとォ…とまるでAVに出てくる痴女のように物欲しげな顔で布団の中を転げ回る毎日だ。どうにかならんもんだろうか。
 まあ僕ほどのブサイクが今さら太ろうが痩せようが、そんなもん-100が-110になるか-90になるか程度の違いでしかないってことは自分が一番良くわかっている。痩せたってどうせブサイクなら食べたいものを食べたいだけ食べて最初から人の目なんか気にしないほうが楽、という多くのデブオタの主張もすごく良くわかる。むしろ羨ましくさえある。けれど外見は例えブサイクだとしても、僕は心までデブオタにはなりたくない。せめてネットで皆の前に晒す「雪男」という人格だけは格好良くありたいと思う。だから今のところはまだ、苦しくても夜食は食べない。こんな僕のサイトをいつも楽しみにしてくれている婦女子(みんな)にだけは、嘘をつくわけにはいかないから。

 つーか今気がついたんだが、要は夜更けまでネットしてないで早く寝ればいいのか?

2003/12/04
 こないだ「夜中に物は食べない」って言った舌の根も乾かないうちにもう我慢できなくなって食べちゃったよ☆
 転がり堕ちる…底辺のさらに底の底…デブオタの領域へと……!!

 いやほんとマジでヤベーことになってきた。最近巡回先のサイトがいくつか「肉を喰ったら罰ゲーム」みたいな企画やってるのを見たけど、純粋にすげーなと思う。今の僕では肉を喰う喰わない以前に一日5食喰わないというノルマを守るのが精一杯でありメニュー内容まで吟味する余裕などとてもじゃないが、無い。なんとか頑張って夜食分の一食を減らせるようになれさえすればもう御の字もいいところなのである。なんとも情けない話だが。
 結局のところは前にも言ったとおり、夜遅くまで起きてネットやってるのが悪いのだ。さっさと寝て次の日早めに起きて、目玉焼きやらサラダやらといった朝食をしっかり取る。これが一番良い。そんな当たり前のこたあ最初からわかってるのだ。わかっちゃいるけどやめられない、それがネットじゃないか。健康だ体型だ程度の理由でやめられるんなら大学ダブった時点ですでにやめてるっつー話よ? おまいらだって知ってるだろうネットしながら啜るコーヒーの美味さ! つまむポテチの美味さ! つまりそのアレだ、オレからネットを奪いたかったらおまいらが身体を張れってことだ。「雪男さんもうやめて! ネットなんて見てないで今すぐ私を抱いて!」とか気の利いたこと言うナオンの一人でも部屋にいりゃそりゃあ話は変わってくるって。つまりそのアレだ、毎度毎度同じこと言ってる気がするんだがしつこく繰り返すと日頃ここを愛読している女子中高生諸姉の中に今日の日記に感じ入るところがあったという者がもしいるなら件名「夜食はわ・た・し☆」でメールしてみやがれこの野郎、つー話だ。 朝まで食べっぱなし10食くらいいっちゃうヨ? 逝っちゃうヨ?(太りすぎで)

2003/12/10
 流行ってるというので「マリア様がみてる」とやらをぱらぱらと立ち読みしてみたんですが、予想通り僕には全然合いませんでした。僕は百合とか薔薇とかふたなりとか触手とか、とにかく「男のチンコ→女のマンコ」以外の構図では一切興奮できないノーマル君なのです。女の子どうしが仲良くはしゃいでるのを見るのはもちろん好きですが、エロく絡み合ってるのを見るのは大の苦手。思わず「やめろ!やめるんだーっ!」と叫んで飛び込みたくなってくるのです。だってほら、ただでさえ元々世の中男より女の子のほうが微妙に少ないわけですよね? それなのに女の子どうしで絡まれちゃったら貴重な資源が二人も一気に減るってことじゃないですか。 配当からあぶれる最有力候補である我々非モテとしてはそりゃ真剣にもなりますよ。 ということで僕は昨今の軟弱な「マリみて」及び百合ブームには断固反対の立場を取らせていただきます。マリアはマリアでも夢野まりあが僕のオナニーをじっと見ててくれるというなら考えなくもないですが(←当方M)

2003/12/13
ノルマ! ノルマ! ノルマ! norma! norma! norma!
作死殺曲:yukky

ずっと欲しかったノルマ 今月も ダメだった

やけに冷たい支部長 気にしてた 気づいてた

でもタイムレコードごまかして ちょっと残業つけてみて

この会社はダメだと僕は思うから

ノルマの中 3週間目まで僕は

漫画喫茶に居る そして全て終わるはずさ

2003/12/18
 年末ということでこんな僕にもちょこちょこ忘年会のお誘いが来たりもするのですが、なにぶん下戸なのでちっとも年忘れなどできません。みんなが赤い顔で大騒ぎしているのを見るとほんと、酒飲めないのってつまんないなーと思います。まあシラフでも普通に女子にセクハラトークふっかけて一滴も飲んでないのに酔っぱらい扱いされるのも毎年のことと言えば毎年のことなんですけどもね。そして年々誘いが減っていく罠。
 そいえば今年は結局金が溜まんなかったんで無理でしたけど、来年こそは部屋を借りてそこで女子中高生限定忘年会をやりたいですね。ジュースとおかしを振る舞って、みんなで楽しく王様ゲームとかツイスター(懐かしい)とか…想像するだけでヨダレが出そうです。あの宮崎駿だって毎年山小屋で小さなお友達を集めてツイスト&シャウトしてるらしいので僕が同じことしたところでまったく問題はありません! ので日頃ここを愛読している女子中高生の皆さんの中で来年度の僕の忘年会に参加してもいいというかたがもしいらっしゃいましたらメール件名「ツイスト&シャウト」でどしどし応募よろしくお願いします! 追ってこちらの住所及びアパート名、好きな体位や性感帯などを明記し返信させていただきます。この際小学生でも女子大生でもOLでも可ですがネカマは斬殺。

2003/12/22
「松屋からのクリスマスプレゼント」というからどんなもんかと思ったら…



こんな松屋が僕は大好きだ! 一生ついてく!

 あ、唐揚げ飯の直前に始まった麻婆豆腐定食のほうは見た目以上に美味いんでオススメ。妙に脂っこくて味が濃いけどご飯と一緒に食べ切ってちょうどイイ感じ。
 それにしても最近の僕の行きつけの松屋は店員の質が落ちた。サービスの質ももちろんだがそれ以上に女子店員の顔面クオリティのほうはもっと深刻。こないだ行ったらなんかアジアのどっかから留学生で来ましたって感じのデブ外人娘が一人で接客切り盛りしてた。満席近いのに日本語カタコトしか通じないデブしかいないのってどうよ。もういい、松屋に美少女なんてもう期待しないからせめて味噌汁の提供を忘れないでいてくれる店員であってくれ…(待ち時間に紅生姜をボリボリ喰いながら)

2003/12/23
 我が街藤沢に最近出来たスーパー銭湯・湯乃市に行ってみたのですが、さすが「スーパー」の冠は伊達じゃねえなと。ムチャクチャ綺麗だし、いろんな風呂があって飽きるということがありませんでした。ここの目玉は高濃度ミネラルで身体が浮くという「死海風呂」なのですが、これは入ってみたらチンポの粘膜にしみて激痛が走ったので軟弱な僕は慌てて上がってしまいました。 みんな気持ちよさそうに浸かってたけど痛くなかったのかな? 僕のチンポが貧弱なだけ?
 ガラス戸の外には露天風呂もあるのですが、これがまたこの冬の寒い時期は最高に気持ちいい。火照った身体が外気に冷やされていく快感は露天風呂ならでは。そんな風に竹椅子に座って夜風に吹かれつつおもむろに風呂を眺めればそこには父親の傍らではしゃぐ幼女の未発達の裸体。再び火照っていく下半身を慌ててタオルで隠したりして。ほんといい所を見つけました、これからちょくちょく通ってみようと思います。 ちょっと場所がわかりづらいのですが近くの人は一度行ってみるといいんじゃないでしょうか。娘連れのお父様に特にオススメです。

2003/12/24
〜プロローグ〜

 18:00からのイルミネーション点灯を待ちこがれる人々で溢れる東京駅に大急ぎで駆け込み、俺は発車間際の新幹線の座席に腰を落ち着けた。慌ただしいのは嫌いな質だが、こういった職業をしている限り時間が不規則になるのはもう仕方がない。カタギの者なら恋人なり家族なりと厳かに過ごすのであろうこのクリスマス・イヴの夜に、俺はよりにもよって殺人事件の捜査に向かっているのだった。

「やあ雪男君、お疲れ様。クリスマスにわざわざ申し訳ない」
 N県北部のスキーリゾート地に立つ瀟洒なペンションの前に並ぶ数台のパトカー。俺に気が付いて声をかけてきたのはN県警警部補の九重山(くえやま)だった。
「相変わらず突然だな、クエさんの呼び出しは」
 俺は憮然とした表情で言った。
「そう言うなよ、どうせ予定なんてないんだろ? 交通費と宿泊費くらいは俺が出してやるから、遠慮せずにゆっくりしていけよ」と九重山は豪快に笑った。
「ゆっくりしていきたいのは山々なんだが」と俺。「先にとっとと事件(ヤマ)のほうを片づけてからにしたいもんだな。現場の状況やら何やらをさっそく聞きたいんだが」

「それもそうだな。まあ立ち話もなんだ、入ってくれ」
 九重山が頷き、ペンションのドアを開けた。


〜聖夜に捧ぐオモシロミステリ〜
雪男探偵の事件簿「テキスト館の殺人」



「まずこの写真を見てくれ」
 九重山が一枚の写真をテーブルに置いた。茂みの中で全裸の男がうつぶせに倒れている写真だった。
被害者(ガイシャ)の名前は佐村 腱(さむら けん)、都内の大学生だ。サークル仲間とスキー合宿に来ていたらしい、優雅なもんだな。死体が発見された場所は宿泊先旅館『テキスト館』の露天風呂、死亡推定時刻は22日の夜8時から11時頃。後頭部に鈍器のようなもので何度か強打された後があるらしい。 露天風呂入り口近くで撲殺した後、目立たないよう隅の茂みにまで引きずって運んだようだ。
 現時点では同時間帯に一緒に風呂に入っていたサークル仲間三人が容疑者としてリストアップされているが、やっかいなことにこいつらは誰も凶器になりそうなものを持っていなかった。入るときと出るとき、脱衣所で全員が全員の所持品をはっきり確認している。小銭とタオルと着替え、それ以外は誰も何も持って入らなかったし、誰も何も持って出なかったそうだ」
 九重山はそこまで話して、ポケットからタバコを一箱取り出した。俺が火をつけてやると美味そうに煙を吐き出し始めた。
「風呂の中に鈍器の代用品が何かあった可能性は?」と俺は訊ねた。
「もちろんそれは疑ったし、くまなく調べた。だが何もなかった」と九重山。「テキスト館の風呂は内湯三つにサウナ、シャワー場が別々にある。そしてやっかいなことにどこからでも露天風呂のある外周に出られるんだ。だからガイシャが一人で露天風呂にいる隙を狙って撲殺し、残り二人のいない場所を経由し何喰わぬ顔で戻ってくるチャンスは容疑者三人の誰にでもあったんだよ。 この三人のうちの誰かが犯人だと俺は疑っている。だが肝心の凶器を誰も持っていなかったという。お手上げだ」
「三人の容疑者の名前は?」
「まず権藤 克樹(ごんどう かつき)、ガイシャと同じサークルの副部長だ。ガイシャにけっこうな額の金を借りていたらしい。
 次に細川 金二郎(ほそかわ きんじろう)。サークルの部長だな。 ガイシャとは仲が良く、二人で遊ぶことも多かったそうだ。
 最後に境田 智司(さかいだ さとし)。 サークルのパシリ的な存在でガイシャにいじめられていたことを恨んでいたらしい。 昨日の尋問で録った三人の証言テープがある、聞いてみてくれ」



権藤「昨日は8時頃みんなで一緒に風呂に入りました。シャワー場で身体と頭を洗って、細川君と境田と三人でまず順番に内湯を見てみようということになって。腱君はまだ頭を洗い終わってなかったみたいでした。内湯を巡っているうちに自然とみんなばらけて、僕はほとんどサウナに一人でいました。その頃には腱君の姿が見えないのは気がついていたんですが、先にもう上がったのかなと思って特に探したりはしませんでした。三人一緒に風呂場を出て、途中自販でジュースを買って部屋に戻りテレビを見たりしてそのまま寝ました」

細川「風呂に行ったのは8時頃でしょうか。皆でシャワーを浴びた後は私は権藤クンと境田クンと一緒に内湯に入りました。そのうちばらけた後は一人でふらふらと色々巡りました。露天風呂にも行きましたが、腱クンの姿は特に見かけませんでしたでしょうか。最後はサウナで権藤クンと談笑し、腱クンがいないのを気にかけながらも内湯から帰ってきた境田クンと三人で脱衣所を出ました。不審な物は誰も何も持っていなかったのではないでしょうか」

境田「8時頃みんなで風呂に行ってシャワーを浴びて…そういや腱君、僕が頭を洗い終わった後で『シャンプーを忘れたみたいだから貸してくれ』と言ってきました。貸してやると『サンキュー』と言って頭を洗い始めたんで、待ってるのも面倒なので置いて三人で内湯に行っちゃったんです。そのうち追いかけてくるかなーと思ってたんですがそれからずっと腱君の姿が見えなくて、おかしいなとは思ったんですけど…部屋に帰れば戻って居るだろうと軽く考えてました。露天風呂には行きましたが、茂みのほうは湯煙りで全然見えなかったし、特に気にもしてなかったから死体があったかどうかはまったくわかりませんでした」



「…なるほど」
 テープの停止ボタンを押し、俺は椅子を引いて座り直した。
「何かわかったか?」と九重山。
「確認して欲しい点が二点ある」と俺は言った。
「一つは自動販売機のジュースについて。缶やペットボトルじゃない、瓶状のジュースは売っているかな?  旅館の人間に確認取ってみてくれ。もう一点、三人が風呂から出て脱衣所に戻ってきた順番をもう一度三人に聞いてみてくれないか」
「順番?」と九重山。「三人一緒に戻ってきた、とテープでも言っていたじゃないか」
「一秒二秒の差でもかまわない」と俺。「重要なのは戻ってきた時の並び順だ。俺の読みが正しければ、それで犯人がわかる」
「なんだって!?」九重山が驚きの声を上げた。「わ、わかった、すぐに確認を取ってみよう」

 タバコを吹かしながらしばらく待っていると、大慌てで九重山が戻ってきた。
「確認取れたぞ。まず瓶状のジュースはお前の言うとおり、旅館の自販で売っている。具体的には『Dビタドリンク』と『OナミンCドリンク』の二種類だな。二つ目の件についてはなかなか皆思い出してくれなかったが、最終的には確定できた。境田、権藤、細川の順番で次々に出てきたということだ。これに何か意味があるのか?」
「あるさ。大ありだ」と言って俺はにやりと笑った。
「わかったよ、犯人とそのトリックが」 「なんだって!?」再び九重山が驚きの声を上げた。
「関係者を集めてもらえるかな」と言って俺は立ち上がった。(解決編に続く)




(解決編)

 24日深夜、N県警察署の一室に集められた事件の関係者一同。権藤は不安げな表情、細川は寝不足といった表情、境田は苛ついた表情でそれぞれ佇んでいた。

「まず凶器からいこうか」と俺は口を開いた。
「これは旅館で売っていたジュースの瓶だ。自販機には『Dビタドリンク』と『OナミンCドリンク』の二種類が売っていたようだが、犯行に使われたのはおそらく『OナミンC』のほうだろう」
「しかし、瓶で人が殺せるものかね?割れてしまったら台無しじゃないか」
 九重山が口を挟んだ。
「若干コツはある」と俺は言った。「要は握り方の問題だな。胴を短く持って瓶底で殴りつければ、これは石を握って殴るのとほとんど変わらない。人間の頭くらい弾力のある物ならまず欠ける心配はないだろう。用意周到な犯人のことだ、事前にテストくらいしてあるはずさ」
「でも」
 容疑者の一人、権藤が手を挙げた。「僕らが自販でジュースを買ったのは風呂から出た後ですよ? 風呂に入る前と出る時は誰も瓶なんか持ってませんでした」
「いや、肌身離さず持ってたね」と俺。
風呂に行く前からすでに持っていたし、風呂の中でもずっと堂々と持っていたままだったんだよ。犯人以外の者はそれに気が付かなかっただけだ。まったく大胆不敵なトリックを思いついたものだよ。尊敬に値する」
「風呂の中でも持っていた?」と境田。「まさか、全員全裸にタオル一枚なのに、どうやって――」
 そこまで言ったところで、境田がわなわなと震えだした。どうやら俺と同じ結論に辿りついたらしい。
「ま、まさか…そんなこと、できるわけが…」
「いや、できるね」と俺は言った。
「試しに『アナル 瓶』google検索してみるといい。鍛錬した人間ならば、アナルに瓶を飲み込んだまま歩き回ることは可能だ。ペットボトルでさえ入るんだ、『OナミンC』一本くらいは楽勝の部類と言っていいだろう」
「ア…アナルに入れた瓶が凶器だと…? そんなバカな…」
 九重山が口をあんぐりと開けて言った。
「も、もしそれが本当だとしてだ、それでどうして犯人が特定できるんだ?」
「簡単なことだ」と俺。「いくら鍛錬したアナルマスターでも、鏡や写真を使わない限り自分で自分の肛門がどういう状態かは確認できない。楽勝に飲み込んだつもりの『OナミンC』でもだ、もしかしたら後ろから誰かに見られたらバレてしまうかもしれない…そう思ったら、なるべく後ろ姿は見せたがらなくなるのが犯人の心理ってもんだろう。つまり最後尾からやってきて背中を見られる心配がなかった者、風呂場を最後に出てきた者細川 金二郎。犯人は、お前だ」

 全員の視線が細川に集まった。

 細川は微動だにせず俺を睨み付けていた。
「さっきお前らの大学の関係者に連絡を取って確認したよ…ガイシャの佐村腱はずいぶんなプレイボーイな上にバイセクシャルだったそうだな。クリスマス目前にミスキャンパスの美女とつき合い始めたともっぱらの噂だったよ。…ここからは俺の推測なんだが…細川、元々お前のアナルを開発したのは腱なんだろ?さんざん身体を弄ばれたあげくに捨てられたお前は憎しみの果てにこんな犯行計画を思いついた…違うか?」
「………」
 細川は黙って俺の話を聞いている。俺は続けた。
「他二人とさりげなく散り散りになった後、遅れてやってきた腱を露天風呂に誘い出しアナルから取り出したジュース瓶で撲殺。急いで死体を茂みに隠し、凶器を再びアナルに収納。そのまま何くわぬ顔で再合流し部屋に帰る。証拠の瓶は後で堂々と蓋を開けて飲んで捨ててしまえばいい。これが『消えた凶器』のトリックの正体だ」
 一同、沈黙。信じられないといった表情でお互いを見回していた。
「…フフフ…さすがは名探偵といったところなのではないでしょうか。私の完敗です」
 突然、細川が口を開いた。
「私をこんな身体にしておいて捨てた腱クンなど殺されて当たり前なのでしょう。どのみち彼の居ないこの世界になどもう興味はありません。刑事さん、もういいのではないでしょうか」
 そう言って細川が両腕を差し出した。
「…馬鹿な奴だ。それだけのアナルがあればこれからいくらでも言い寄る男がいように」
 九重山が静かに細川の腕に手錠をかけた。ゆっくりと部屋を出ていく刑事と殺人犯。
「追伸。最後にこれだけは言わせてくれませんか」
 ドアの前で細川が突然振り向いた。
「名探偵クン…推理、お見事でした。
キミとはもっと早く逢いたかった。細川でした」




〜エピローグ〜



「雪男先生、これ先生宛てにさっき届いてましたよ」
 あの忌まわしい事件から一年。
 再び巡ってきたクリスマス・イヴの夜、人並みを掻き分けようやく東京の事務所に戻ってきた俺に、助手の舞が一枚の葉書を差し出した。
「なんだ、お歳暮でも来たかと思ったらこりゃまたずいぶんと薄いな。まるでお前の胸…」
 間髪入れずに顎先に肘鉄が入り俺は言葉を失った。震える指で舞の手から葉書をつまみ取り、俺は中身を読み始めた。

「雪男君へ
 元気か? オレのほうは相変わらず事件、事件の毎日だ。ここ10年クリスマスどころか正月すらまともに休めた試しがない。君はどうせ今年も暇なんだろう、羨ましいものだ。変わって欲しいとは思わんがね。
 去年の事件のこと、まだ覚えてるか? あれから刑務所の細川と一度だけ会ったよ。思ったより元気そうだった、というよりムショはゲイ仲間が多くて天国と言っていた。案外人にとって、何処が天国で何処が地獄かなんてわからんもんかもしれんな…なんて柄にもないことを思ってみたりしてな。まあそのアレだ、今夜君の今いるその場所が、君にとっての天国であることを祈るよ。またそのうち来い、歓迎する。それじゃ、元気で。メリー・クリスマス。 九重山」

「…天国、ね」
 俺はそう言って事務所の中を見回した。積み上げた本とゴミの山で床も見えない。世間ではこういうのを「地獄絵図」と言う。
「先生、独り言ですか? ボケますよねそりゃ、こんなに仕事が来なくちゃねえ」
 舞が意地悪そうに笑った。
 やれやれ、と俺は溜息をついた。俺にとっての天国とやらは、どうやらまだまだ見つかりそうになさそうだ。
「舞、今日この後なんか予定あるか? 腹が減った、飯でも喰いに行こうと思うんだが」
 舞は不敵な笑みを浮かべ、「予定ならたくさんありますけど」と言った。
「先生が奢ってくれるっていうんならつき合いますよ、喜んで。どこにします? 私、先月駅前にできたフレンチの店ちょっと行ってみたいんですけど」
「バカ野郎、ワリカンだよ、ワリカン。行くぞ」
 俺はコートを羽織って事務所のドアを開けた。外はちらほらと雪が降り始めていた。(完)

2003/12/30
 昼休みに何の前触れもなく同僚が「俺、自分で描いた絵とか載せるホームページやってるんですけど」などというオモシロカッコイイことをのたまりやがりましたので今後ますますこのサイトにおける職場の話はタブーということで。 仕事の内容的にオタクが多いだろうなとは薄々想像していたけども、まさか入社早々いきなりサイト持ちに出会うとは…これが「スタンド使いはスタンド使いと惹かれ合う」の法則というやつなのでしょうか。こんな調子で今後を乗り切れるのか激しく不安な仕事納めの今日でした。履歴書に「サイトバレにより退社」と書かなきゃならん事態だけは避けたい。マジで。

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