Would you hold my hand if I saw you in heaven?
もしも天国で会えたなら、君は僕の手を握ってくれるかな

Would you help me stand if I saw you in heaven?
僕が立ち上がるために力を貸してくれるかな

I'll find my way through night and day
でもいつか僕はすべてを乗り越えて、
自分の道を見つけてみせるよ


'cause I know I just can't stay here in heaven.
だって僕は天国になんていられるような男じゃないから
“Tears in Heaven" Eric Clapton

■第十九章(1999.February)7■


 「オフ会の件」
 せっかく楽しみにしていたんですが、中止とはとても残念です。
 彼女がユキオさんに会いたがっていたんですよ。一度ちゃんとした形でお礼したいと思ってるんで、またいつか飲み会とかあったらぜひ僕らも誘ってください。いつでも参加しますので!
 送信者:エビス

 「オフ会」
 せっかく君のオフに向けて色々と危ないネタを仕込んで用意していたのに、披露できなくて残念だよ。
 今後も我々のオフ会には誘い続けるので、余裕ができたら参加してやってくれ。復帰を待っているよ。
 送信者:阿仁木

 「オフ会は残念でした」
 僕はまだ君に助けてもらった恩を返していない。
 だからこのままいなくなるなんてことは絶対に許さないです。
 必ずまた帰ってきてください。いつまででも待っています。
 送信者:倉沢

 「タクヤです」
 閉鎖と聞いて驚きました。何かあったのかと兄ともども心配しています、
 再開は先の話としても、せめて元気でいるという報告だけでもトップに載せていただけると大変うれしいです。ユキオさんはぼくら兄弟の命の恩人です、
 いつか戻ってきてくれて酒でも奢らせてもらえる日が来ることを、楽しみに待っています。それでは。
 送信者:タクヤ

 「激励」
 君に手伝ってもらいたいことはまだまだ山のようにある。
 早く戻ってきたまえ。君の力が必要だ。
 送信者:ワタベ

 「連絡を待つ」
 何があったのかは聞かない。いずれ落ち着いたらでいい、連絡が欲しい。
 君がこのまま終わる男ではないことを、信じて待っている。
 送信者:クエマツ




 「ユキオ君、見てる?」
 たくさんの人が、ユキオ君のことを心配してくれてたでしょ?
 ユキオ君がいないと寂しいって、困るって、待っていてくれてたでしょ?
 これだけの声に何も答えずにいつまでもぐずぐずしているほど、私の知っているユキオ君は弱くないはずだよ。
 せいぜい今のうちたっぷり休んでおいて。ユキオ君がまたいつか立ち上がって今度は何をやってくれるのか、
 私もファンの一人として、楽しみに待ってるから。ずっとずっと、待ってるから。
 送信者:さや






 一時間かけて全てのメールと書き込みをチェックし終えた後、僕は携帯電話を握り締めゆっくりと立ち上がった。そして登録リストの中から「ミユキ」の名を探し当て、力強く発信ボタンを押した。


 アオヤマ、ごめんな。
 呼び出し音が鳴る間、僕は心の中でつぶやいていた。僕はまだ、そっちに行くわけにはいかない。
 僕には、やることができた。もう一度だけやり直してみたいことが、できた。


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