さくらとちぃのテキストサイト論vol.8

「アクセス数は命より重いっ…!(ざわざわ) さくらです!
ちぃちゃんがいないけどどこに行ったのかな…またオフ会かな?」
「おう、さくら! 今帰ったぞ! 今日も大漁大漁」
「お…お帰りなさい。す、すっかりテキストサイトに染まっちゃったわね、ちぃちゃん」
「オウヨ! 楽しかったぜ今日も! 途中でこっそりタッキー似の男子高校生連れ出して、朝までボックスでマターリ歌いつつもう舌入れーのチンポ入れーの! つーかもう大手サイトやめらんネーヨ!」
「に、2ちゃん用語をナチュラルに使ってる! ヒィィィィ(;´Д` )キモイヨー」
「つーかごめん、もう漏れのサイトさくら超えたわ。 なんつーのほら、アクセス数ってサイトの経験値じゃん? 今や一日三万ヒットオーバーの漏れなんかいわば神? 女神? おっと女神じゃ『ああっ女神さまっ』と設定かぶっちまうわな! ギコハハハ!!」
「く、CLAMP先生の原作の心配なんかしなくていいから! いいからちぃちゃんちょっとこっちにいらっしゃい!」
「おい、てめー何すんだ! ゴルァ!!」
アイコンの著作権とかいろいろあるのよ! ほらっ早く(ヘアスプレー噴射)」
「…ちぃ」
「わーい、ちぃちゃんが元に戻ったー!!
というところでさっそくメール紹介に入るわね。今回は少しずついくつかに答えてみるよ。
4年前からサイトを作っており、個人サイトとしてはそこそこの規模まで育てたのですが、このところ更新が滞りがちでヒット数だけ増えていくことに違和感を感じています。サーバー契約の期限が2ヶ月後に来るのでそれを機にやめようかなどと思うのですが、知らないところからのリンクも多く、閉鎖の告知を徹底してリンク切れを防ぐのもままならないため、どうしたものかと思っています。いい方法があれば教えてください。お願いします。』
ハンドルネーム『hoyohi』さんからです。4年前からというとあたしより先輩ですね! 質問ありがとうございます」
「4年も続けてやめる、もったいない」
「そうだね…もったいないね。でもさ、個人サイトはあくまでも趣味だから毎日更新なんていつかはできなくなるのは仕方ないのよ。満足のいく更新を続けられない、と思ったら潔く閉鎖するのも一つの美学ではあるわ。でもね、そう簡単にやめられないのがテキストサイトで。あれだけしんどかった更新が、いざサイト辞めて半年くらい経つとまたしたくてしたくて仕方なくなるのよ。これはもう麻薬の禁断症状と一緒ね。そのとき『リニューアルして帰ってきました!』なんてやるよりは、一線は退いても月に一度でもいいから細々と隠居更新し続けるほうがあたし個人的には好きだな」
「でも、サイトもうすぐサーバから消されるって」
「うーん、なら自分の気に入っているコンテンツのみを引き連れてジオなり鳥なりクールなりの無料スペースに隠居するのも手よね。移転すれば告知してもアクセス数は確実に減ると思うけど、でもいいじゃない。余計な荷物を捨てられたと思えばいいのよ。アクセス数なんてはなっから放棄して更新できる時にだけ更新して、時々見に来てくれる少数の読者だけを相手に細々とやっていくのって結構悪くないサイト運営のありかただと思うよ。またバリバリ更新できるようになったらその時はその時で毎日更新再開しちゃえばいいんだしさ」
「さくら、めずらしくいいこと言う」
「失礼ね! あたしだってたまには綺麗事言いたくなるのよ!!
じゃあ次のメール。
オフ会の情報っていうのはどこでどう入手すればいいのですか ?
有名サイトの管理人さんたちにはお会いすることができますか?』
ハンドルネーム『Teru』さんからです。ありがとうございます。これはもう三万ヒットサイトのちぃちゃんに聞いてみたほうがいいわね。ねぇちぃちゃん?」
「オウヨ! オフ会なら任せとけ!
てゆーかな、有名サイト主催のオフ会ってのは基本的に参加者の一般公募は滅多にねーよ。派閥内の管理者同士でメール出しあって内輪でやるのがほとんどだな。たまに一般参加可なんて告知出してるとこあっけどよ、ありゃ可愛い女の子が来てくれますようにって意味だよ。それも知らないでぬけぬけとブサイクで無名な男が飛び入り参加してみ、見事なくらいハブられるから。ま、女の子でしかも漏れくらい可愛ければ何でもアリだがな! ギコハハハ!!」
「ひぃ! ちぃちゃんがまた豹変してるぅ!!」
「ちぃ」
「あれっ!? あたしの見間違いかな!?
まあいいや、ちぃちゃんが言うようにオフで有名サイトの管理人さんに会いたかったらまずそのサイト及びそのサイトが仲良くしている周辺サイトにリンク貼ること。んでことあるごとにそのサイトを文中リンクで引き合いに出して褒めまくろう。するといつかは相手も文中リンクで返してくれるわ。これで晴れて派閥入り。こっちが文中リンクで言及して向こうに言及し返してもらう、という図式がヤクザでいう盃受け儀式に当たるわけよ。この儀式さえ完了させてあればいずれその兄貴分サイトのいる派閥のオフに裏からお声がかかるわ」
「結局、派閥?」
「そうそう、全部派閥。自分のテキストなんか書く暇があったらどうやって文中リンクで大手の知り合いいじるかを考えなさい。そうすりゃオフにも呼ばれるしアクセスも上がるしと良いことばっかり転がって来るんだから」
「………」
「ま、この質問者のTeruさんは女の子だから基本的にはどこのオフ会でも派閥とか気にせずに飛び入りでじゅうぶん歓迎されるよ。期待はずれなツラだと思われたらどうしようとか考えなくていいわ、有名サイトの管理人のツラのほうがよっぽど期待はずれだから。で、男の突然飛び入り参加ははっきりいって無理。おとなしく派閥に入るか、その勢力に匹敵するくらい自分が大手になるかしないと相手にもしてもらえないわ」
「男社会って厳しい…」
「ほんと、可哀想な生き物よねー男って。じゃ、最後の質問に行くわね。
侍魂はこれからどこへ向かえば良いのでしょう?』
ハンドルネーム『健』さんからです。ありがとうございます」
「健さん…?」
「ネタじゃなくて本当に本人から届いた質問よ! なんだかものまね歌合戦の本人登場みたいな気まずさだけどまあいいわ。質問されたからには答えましょう」
「ちぃ、先行者好き。中国ロボットおもしろい」
お前も充分笑えるオモシロロボットだけどな!
ていうか別に今のまんまでいいんじゃないの? 一時期はさすがにちょっとどうかと思ったこともあったけど、自分でちゃんと修正していこうとはしてるみたいだし今は別に普通に面白いよ侍魂」
「でもアンチ、まだすごい多い」
「ま、アクセス数に拠らないと成立しないテキストを書く限りは反感を買うのは仕方ないよね。それをやると信者の賞賛が得られると同時にアンチの反感も凄いってことくらい今の健さんなら身に染みてよくわかってるでしょ。だから今はなるべくそういう反感買いそうなテキストは書き方に気を使ってるみたいなんだけどさ、言っちゃ悪いけどそれは大いなる無駄な努力なのよね。どう丁寧に書いたってムカつく人はムカつくんだし、中途半端な謙虚さはかえって煽りのスキを生むのよ。んな批判びびった腰の引けた姿勢が見て取れるとテキストまでつまんなく見えてくるから、テキストサイトの代表ならもっと威風堂々としていてほしいよ。王者の椅子にどっかり座ってないで腰浮わついてるからみんなついついケツ蹴っ飛ばしたくなるのよ」
「わあ、さくらアンチっぽい」
「あたしはアンチじゃないよ! 質問来てるから答えてるだけよ。
でもさ、健さんがこれからの方向性に悩んでるってのはほんとっぽいよね。最近見るからに更新苦しそうだし。侍魂だろうがどこだろうが、自分が楽しめずにやってるサイトが良い状態に向かうわけがないのよ。健さんがまず見つけなければいけないのはどうしたらまた昔みたいに更新が楽しいと思えるようになるか、の方法論でしょ。どうしたらアンチが減るかなんかみみっちいこと考えなくていいから、敵作るくらい上等いつでもかかってこいやの精神でとりあえず思うまま暴走してみたら? 芸人ってそういうもんでしょ。必要とあらばチンポ剥かれていじめられることすら芸に仕立ててみせて、それで笑ってもらえることを幸せだと思える強かさが欲しいよね。そうすりゃ叩くのも馬鹿馬鹿しくなってアンチも結果的に激減するんだけど」
「さくら、たまには良いこと言う」
「うるさいわね! こっちだって2ch侍スレとか怖くていろいろ神経使ってるのよ! この企画はニュース系サイトにまでウォッチされてて結構プレッシャーなのよ!?
ということで、そろそろ全部なかったことにするために次回でいよいよ最終回です。最後の質問待ってまーす」
「次回でやっと解放される…ホッ」
→最終回へ進む
←テクスト集に戻る
©