さくらとちぃのテキストサイト論vol.5

「お礼にたっぷり文中リンクするにゃん(挨拶)! さくらです!
更新が遅くなってごめんなさい。ここ数週間はちょっとクラピカ総受のアンソロジー同人本のほうに参加してました。ずっと寝てないから調子悪いよー」
「ちぃ、総受の意味よくわからない。それ日本語?」
「うーん、まあ知らないほうがいい日本語であることは間違いないね。知りたければ検索でもしてみれば? うんざりするくらい引っかかるから。
さて、同人の話は置いといて。とっととメール紹介に入りましょ。
去年の暮れからテキスト系サイトを見るようになりました。侍魂のリンクから回って、ニガシオ様、かまくら様、一流HP様、execute &h0000様などを拝見してまいりましたが。そのせいで日記の構成等が確実に似てきているのです。それらのHPを見るのを止めれば治るかもしれませんがそれだけが楽しみなんです。「侍魂のパクリサイト」みたいに2chでさらし上げられたくないです!!どうすればいいでしょうか?
ハンドルネーム『zata』さんからです。ありがとうございます」
「なんとかキュート…なんとか0000…ちぃ、このサイトの読み方わからない」
「大丈夫、あたしもわかってないから。『なんとかキュート』で通じるからそれでいいわ。
さて、好きなサイトと傾向が似てしまうって話ね。これはよくわかるなぁ。あたしも始めたばかりの頃はすごいいろんなサイトに影響受けたし」
「影響受ける、自然なこと。ちぃ思う」
「そうだね。誰だって少なからず何かに影響を受けるのは当たり前よね。良いと思ったところはどんどん見習って、自分の中に取り入れてしまえばいいと思うわ。ただし、スタイルを取り入れることとコピーすることは違うということをわかってない人間はかなり多いよね。最近のテキストサイト界を見ていると特に思うよ」
「取り入れることと、コピーすることは違う?」
「そのスタイルの何がどう面白いのかを自分なりに研究して、見習った元のサイトとは違う切り口、コンセプトを見つけることができていればそのサイトはオリジナルサイトよ。逆にそういうことをしないで安易に大きいところがやってるからうちもという理由でスタイルコピーに終始してるだけのサイトは、それこそパクリサイト扱いで2chに晒されても仕方ないよね」
「テキストサイト界、侍魂のパクリサイトだらけ。ちぃ知ってる」
「そう、彼らが何でつまらないって言われるかというと侍魂の模倣だけですっかり満足してしまってるからなのよね。侍魂の良いところを取り入れること自体は問題ないのよ、でも『自分のどんな部分で侍魂を越えられるか?』を何も考えてないのはかなり問題よね。侍魂と同じ事をやっている上に侍魂よりつまらないってわかってるサイトに何度も足を運びたがる人間が少ないのは当たり前よね」
「侍魂を越える、むずかしい。だから、みんなあきらめてるのと違う?」
「アクセス数で越えろなんて誰も言ってないよ。どこか部分的にでいいから本家より面白くできる要素がないか考えることが大事だ、という意味よ。この世に存在する全ての表現は歴史と共に洗練されていくのが当たり前だし、それはテキストサイトだろうが何だろうが例外はないのよ。つまり、新しく作られたサイトは今までに存在した古いサイト群より洗練されていて当たり前なの。極論を承知で厳しいことを言えば、侍魂のスタイルを踏襲するならどこかで侍魂より優れた部分を持ち込まなければそんなサイトはこのWebという開かれた空間に存在する価値がそもそもないのよ。だって本家の侍魂がタダでいつでも読める以上、わざわざそれを薄めて劣化させただけのサイトなんか訪れるだけ時間の無駄だもんね。内輪でわいわいやってる人たちにはそんな自覚はないかもしれないけどね、外部の読者の反応は正直よ」
「新しいサイトは、古いサイトより洗練されていて当たり前。ちぃ覚えた」
「それがさらに後に影響を与えるスタイルになっていくかもしれないよね。文化とはそうやってコンペイトウのように、どこかから角を出しては磨かれ出しては磨かれして少しずつ球を大きくしていくものなの。いまは侍魂という突然現れた巨大な角に人々が群がり磨かれ(消耗し尽くされ)これから再び正球に近づこうとしている時期よね。もうしばらく経てば必ず違うところからまた新しく角ができてくるはずだし、自分がその角になってやろうなんて考える野心的なサイトがぽつぽつ現れ始めるはずよ。楽しみよね」
「ちぃもそういうサイト作れる?」
「作れるかもしれないし、作れないかもしれない。こういうのは運もあるからね。とにかくただ一つだけはっきりしているのは、自分がどこかの模倣に終始しているうちは人に影響を与えられるほどのサイトなんか作れるわけがない、ってことね。既存のサイトに影響を受けたなら受けたでかまわないから、良いと思ったところは上手く吸収してより洗練された形で表現することを常に心がけてないとね。
そうだなぁ、わかりやすくアドバイスすると単一のサイトから100%持ってくるからパクリと呼ばれるのであって、10のサイトから10%ずつ取り込んで自分なりの配合で混ぜ合わせて出せば、それは既にオリジナルである、ってことよね。これからサイトを始めようなんて人はとりあえずそういうスタンスで臨んでみたらいいんじゃないかな。ちゃんと探せば自分の感性に合う面白サイトなんか10個くらいすぐ見つかるよ。傾向と対策を練らないでぶっつけ本番で始めて上手くいくものなんかないってことは、今さら説明するまでもないよね? ま、結局そういうことなのよ」
「テキストサイト、奥が深い」
「深いよー。どうせやるからにはたくさんの人に『あなたのサイト素晴らしいです』って褒められてちやほやされたいって思うの当然じゃない? ただ人を集めたいだけならね、あたしはいくらでも汚い手は知ってるよ。でも、いくら人を集めたってその先の面白いとか感動したとかいう言葉はやっぱり中身が伴ってなければ得られないのよ。どっかに似ているってケチつけられたまま入れ物だけ大きくなったって虚しいだけよね。批判され続けたら絶対途中で精神が参っちゃって、行き着く先は突然の閉鎖よ。だからそういうことにならないように、アクセスアップの裏技はあくまでも自分なりのオリジナリティを見つけた後で、にしないと。2ちゃんねらーが好むのはあくまでも『つまらないのに妙に野心的なサイト』なんだから、攻撃されたくなかったらはじめはあんまり調子に乗らないことね。野心を持つならケチのつけようがないコンテンツを完備してから。これ基本ね」
「ちぃ、テキストサイト開くの嫌になってきた…」
「あはは、大丈夫だよ。地味に細々とやってる限り攻撃なんかまずされないし、そのうち少数のファンもついてくれるよ。でもそれじゃ男喰えないからね。とっかえひっかえいつでも男喰える身分になりたければ何はなくともまず大手にならなければいけない。この暴論こそがそもそもこのコーナーの大前提だし、ここは主にそういうぶっちゃけた実戦ノウハウを教える場なんで次回からはもっと具体的なテーマでいくよ。あ、質問メールは引き続き募集してるからね!
というわけで次回はテキストサイト成り上がりの登竜門、『オフ会』の攻略について迫ってみるよ。オフに一回出たらアクセス数が倍に跳ねる女と呼ばれたこのあたしがいろいろ教えてあげるから、しっかり聞いて勉強してってね!」
「うーん、次回もネタが危ない予感…
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