日記抜粋版
ストーカー小説「むちむち☆メモリアル」

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9月23日(木)

第二話「狂った果実〜欲望の奴隷〜」


  旧校舎の裏、雑木林の奥にちらちらと揺れ動く人影。
  ボクは50万もかけて買った超望遠カメラのズームを最大まで上げて、その人影をパシャパシャと撮りまくった。その人影こそボクの憧れの女の子・蛆崎香織ちゃんだ。香織ちゃんはクラス一のモテ男・竹之町拓哉(たけのまち・たくや)くんのチ○ポを美味しそうに舐めているところだった。
「(ピチャピチャ)ハァハァ…タクヤくぅ〜ん、気持ちいい?」
  竹之町くんは何かマズイもんでも食べちゃったみたいな苦い顔で答える。
「ああッ、いいよッ、香織ッ。ちくしょう、てめえ、上手くなりやがったなこの野郎ッ」
「(ピチャピチャ)あ〜ん、香織うれし〜い。タクヤくんに喜んでもらえて、うれし〜い(ピチャピチャ)」
「お、あ、あ、あ、あ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーッ」…

  香織ちゃんの顔の動きが止まった。
  竹之町くんがゴール直後のマラソンランナーのような達成感溢れる笑顔でたたずむ。ボクは香織ちゃんがティッシュで口元を拭うところまであますことなく激写した。

「ね、今日は大丈夫な日なの、だから…」香織ちゃんがもじもじと恥ずかしそうに言う。
「おいおい、大丈夫な日じゃなくてもいつも中出しじゃねえかオレら」
「あーん、それゆったらダメー!ムード台無しー!!」
「5回も子供堕ろしといて今さらムードもクソもねえだろ」
「なにゆってんのよー、タクヤくんが気をつけてくれないせいじゃなーい!シュジュツのお金だって一円も出してくれないくせに!あたし手術費のために、いろんな男からお金だましとったりしなきゃいけなかったんだからね!」
「テメエ、金とかそういうことは言わねえって約束でつきあってやってんだろうが」
  竹之町くんが香織ちゃんの顔面をいきなり殴打した。グーで思いっきりいったのですごい打撃音がした。香織ちゃんは2mくらい見事に吹っ飛んでいった。
「ご、ごめんなさひ〜。あ、あだじ、ぞんなふもりへひったんら」香織ちゃんは何本か歯を折ったらしい。
「わかりゃいいんだよ、わかりゃ。じゃ、そろそろ息子も回復したし(笑)、ヤリますか」
  竹之町くんが黒光りするものすごい銘刀を取り出した。香織ちゃんはされるがままに竹之町くんに服を脱がされていた。ボクはその一部始終を撮って撮って撮りまくった。

  その時だった。フィルターの向こうの竹之町くんが、ボクの方を向いているのにボクは気づいた。
  逃げようとした時にはもう遅かった。竹之町くんはズボンをずり下げた格好のまま、鬼の形相でボクを追いかけてきた。ボクはあっという間に竹之町くんにねじ伏せられてしまった。
「さっきからどうもパシャパシャとシャッター音がすると思ったらてめえ、ウチのクラスの雪男じゃねえか」
  ああ、ボクとしたことが。バレて捕まってしまうなんて。どうしよう、絶体絶命の大ピンチだ。
「どうひたのたふやふん」香織ちゃんも半裸のままやってきた。
「どうもこうもコイツが、オレたちの愛の営みを隠し撮りしていやがった」
  香織ちゃんがボクの顔を一瞥した。
「あーコイツ!さいひんあたひのことストーキングひてるヤローやなひの!」
「なにィ?雪男、てめぇストーカーに堕しやがったんか」
  ボクはねじ伏せられたままの格好で、泣きながら首を振った。「違うよ違うよ!ボクはただ、香織ちゃんのことをもっと詳しく知りたいあまりに、ついこんなことしてるだけで…」
「それをストーカーっつーんじゃねえかボケ」
  竹之町くんがマウントポジションからボクを殴ろうとしたので、ボクは切り札を出すことにした。
「ま、待って!コレを見て!」
  ボクは一枚の写真を出した。それは一週間ほど前、竹之町くんがワルい仲間たちに深夜の公園で香織ちゃんをレイプさせているところの写真だった。たちまち竹之町くんの表情が青ざめていくのがわかった。
「て、てめえ、こんな写真まで撮ってやがったのか」竹之町くんは慌ててビリビリと写真を破り捨てた。
「も、もう遅いよ。ネガはボクんちにある。その気になればこの写真、学校中にバラまくことだってできるんだよ」
「こ、この外道がぁ〜」竹之町くんはわなわなと震えた。
「どけよ、いつまで気安く上に乗ってんだテメエ」ボクは竹之町くんに唾を吐いた。
「う…」竹之町くんはやっと状況を把握したらしく、素直にどいた。ボクは背中の土を払って立ち上がった。
「さてと、竹之町くん。キミはもうボクに逆らえない立場だってことは、わかってるよね?」ボクは不敵に微笑んだ。
「な、なにが望みだ、テメエ」
「望み?そんなの一つに決まってんじゃないか。香織ちゃんを、ボクにくれ」
「え゛え゛っ!」香織ちゃんがさっきからボタボタと口から血を滴らせながら叫んだ。「あ、あらひ、いやよ、こんなやふ嫌よ」
  竹之町くんが香織ちゃんをなだめた。「まあいいじゃねえか。なあ、一回くらいデートしてやれよ。それくらいならいいじゃねえか、な?」
「そんなー、たふやふんは、あらひのこと、もふいらなひの?」香織ちゃんが竹之町くんにすがりついた。
「そうじゃねえけど、しょうがねえじゃんかよ。香織だって、オレが学校からいなくなるのは、イヤだろ?」
「イヤ」
「じゃ我慢してくれよ。コイツと会った日の後は、口直しに何度でもオレがセックスの相手してやるから。むしろご褒美のために我慢する、新手のSMだと考えて開き直れよ」
「ずいぶんとひどい言われようだな」ボクは憤慨した。
「…わかったわ。あらひ、たふやふんのために、コイツとつひあふわ」香織ちゃんがうつむいて言った。
「よく言ってくれた、香織!これで商談成立だな、雪男くん!」竹之町くんが薄気味悪い笑顔でボクの手を握った。


  なんか腑に落ちないところが何点かあるけれど、ま、いっか。とりあえず香織ちゃんとはつきあえるんだし、殴られないでピンチを切り抜けられたし。撮るべきものはやっぱ、ストーキング写真ですね。
  来週はいよいよ香織ちゃんと初デートです。わくわくして、夜も眠れません。楽しみだなー!!



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