ラブホルモン
坂井恵理
講談社/全1巻
¥524
ISBN:4063610802
☆☆☆★
 出生率の低下を防ぐためについに国が認可した惚れ薬・ラブホルモン。女子高生日野あさぎはそれを使って身体だけでなく「心」も売る売春を繰り返す。彼女に思いを寄せる堀込は「俺が君に本当の愛を教えてやる!!」と意気込むが…
 絵柄がツボ、話がツボ、ヒロインがツボとあらゆるツボを突かれまくってしまった最近一番のお気に入り漫画。猫のように気まぐれで容赦ないあさぎたんに何度もアタックする堀込君がなんだか他人事とは思えない。お、俺もあんな女の子に愛を教えたい!!
 ラブホルモン飲んでホテルに行くとあさぎたんは相手の男に惚れた上で自らエッチしたくなってしまう、というたまらん設定なのだが、期待ほどその手のシーンが出てこなかったのは残念だ。もっとエッチなあさぎたんの姿が見たかった。まあ全然エロくないってこともないんだが…(チンチンをしまいながら)
 結局売春という問題については何のケリもつけずに終わってしまうし、「愛って何だろう」というテーマをきっちり消化して伝えきれているとはとても思えない。絵も話も微妙に未熟さが目立つ。だがそれでも、出てくる登場人物達がそれぞれの立場で愛についてセックスについて考えるその真剣さひたむきさはちゃんと読み手の心に届く。それだけでも読んでみる価値は十二分にあると僕は思う。あさぎは最後に言う。

「世の中にはこんなにも愛があふれてるのに、
あたしの欲しいものはここにはない気がする…」


 この作中におけるラブホルモンという薬はつまり、今のこの世の中に溢れる「偽物の愛、売り物の愛」のメタファーであったのだ。あさぎの心は結局それでは満たされなかった。堀込は言う、「オレだって愛なんてよくわかんないけど、こんなふうに2人でいられて今すっごい幸せ」
 本物の愛なんてそんなものがあるのかどうかすらわからないけれど、とりあえずまずは「2人でいられてすっごい幸せ」からはじめよう。坂井恵理が最終的に言いたいことは結局そういうことなのだと思う。綺麗にこの結論に向かってきたとは言い難い部分はあるが、でもこれはこれで非常に上等なラストだ。個人的にはかなり評価している。贅沢を言えばあともうワンシーンでいいからあさぎたんの売春シーンを増やしてくれたらオススメ度ワンランクアップなんだが(←信用がた落ち)  
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